【小説】ブラックスワンメディケーション第1話「プロローグ」

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皆さんはじめまして、黒十字会(くろじゅうじかい)序列十位の双海紅葉(ふたみくれは)です。

それではこれから何回かに渡って、みなさんに有益な情報をお届けしたいと思います。形式はちょっと迷ったんですけど小説という形にしました。ストーリーがあった方が面白いかなーと考えてのことです。

いきなり何言っちゃってんのとか、黒十字会って何だよとか、そもそもお前誰だよと、色んな疑問があるかもしれませんが、まずは自己紹介をさせて下さい。

現在、俺は岐阜県に双子の妹と二人暮らしをしていて、一応表向きは高校生。通っているのは十桜学園というところ。毎年東大、京大、医学部に百人くらいの合格者を出す、岐阜で一番の進学校ですね。と言ってももうあんまり通ってないんですけどね。

は? 学生かよ、ってこの時点で多くの人が思って、何で若干十七歳の俺に、上から目線で有益な情報を教えてやるとか言われなきゃならないんだって感じたことだと思います。でも、最後まで聞いてください。これからその理由を話します。

確かにこの情報だけだと、ただの秀才って思われて終わるかもしれないですね。でも、俺が現在高級マンションに住んでいて、年収は五千万円を軽く越えているって言ったらどうでしょうか。例えばつい先週のことなんですけど、とある案件をこなしただけで三百万円ほどが、俺の口座に振り込まれました。こんなことが頻繁にあります。で、おそらくどんどん稼ぐ金額は増えて、そのうち年収一億は余裕で突破する勢いです。

俺がやっているのは株やFX——ではないです。あもっと金が貯まったらやろうと思ってますけどね。じゃあ何でそんなに稼げるのかというと、それが黒十字会の仕事ということなんです。

黒十字会というのは、厚労省の外局に位置する組織です。要求とか提案をしたい場合は、厚労省を通してってことになってますけど、今はほとんど形骸化してます。任務が特殊ですからね。他には社会保険庁が厚労省の外局としてありますけど、そっちと違って黒十字会は一般には公表されてません。

メンバーは全国に数百人。正確には把握してないですけど、多分そのくらい。そして、そのトップテンには、序列と強大な権力が与えられます。序列は数字が若いほど上です。つまり俺は序列保持者だけど、一番下ってわけですね。序列の有無でかなり扱える権限が違うし、序列の中でも数字の違いでまた変わってくるし、まあ、まだなってから日が浅いし、当然序列一位は目指してますけどね。序列の基準は黒十字会に対する貢献性だったり、個人の実力を考慮して決められてるみたいです。

活動内容は、主にミュータントの管理で、大きく分けてふたつです。

ひとつは、ミュータントによる犯罪の取り締まり。

もうひとつは、ミュータントの臨床試験を行うこと。

聞き慣れない単語だって人もいると思うので、ちょっと解説を入れます。

まず、ミュータントというのは、変異した遺伝子によって特殊能力を使える人間のことです。見た目は普通の人間と全く変わらないですが、炎を出したり、雷を出したりすることもできます。いわゆる超能力者ですね。俺も当然ミュータントです。俺の能力についてはまた後ほど触れます。

常人にはない特殊能力を持つと、やっぱり犯罪に走る連中がいるんですよね。もっと他のことに使えばいいと思うんですけど。なので、ミュータントによる犯罪の取り締まりとは、警察みたいな役割のことです。

もうひとつの、ミュータントの臨床試験。これは、新薬が病院とかで使われる前には、まずモルモットとかを使って試し、次に実際にヒトに投与して効果を調べますよね。これを臨床試験とか治験って呼びます。つまり、何か新薬の卵ができたら、協力してくれるミュータントにそれを飲ませて、副作用やバイタルサインなどのデータをまとめて、製薬会社に提出する臨床試験コーディネーター(CRC)の仕事です。

まあ、俺は前者の方が好きですね。ぱぱっと現場に行って犯罪者を制圧するだけなんでね。臨床試験はデータの作成とかが膨大になる傾向にありますし、場合によっては被験者に密着していないといけないこともあって時間を取られるんですよね。まあ、報酬はその分多いですけど。

何だ、僕には特殊能力なんてないし、関係ないよって思ったかもしれないですけど、実は黒十字会に入れなくても、ビジネスや学業でも成功法則って共通していると思っています。現に俺は、黒十字会に入る前に、難関の十桜学園に合格してますから。

例えば、勉強についてのノウハウを少しお話しすると、俺は普段は英単語とか漢字とかの暗記物はやらないです。そして、国語は人生で一秒も勉強したことありません。

何故なら暗記系は覚えても片っ端から記憶が抜けていくので、テスト直前にやるのが正しいんですよ。普段は知識の使い方の練習に時間を費やすということ。つまり、数学や物理の問題集をやり込む。
もちろん、英単語とかもノー勉はまずいですよ。最低限の授業や小テストで十分。後は直前に詰め込むということです。

国語はまあ……、よくわかんないです。すいません。ただ、勉強時間が点数に比例しなかったのであんまりやってないということです。理系ですしね。

で、話を戻すと、皆さんに伝えたいのはこういったノウハウだったり、その先の未来の話なんですよ。多分これを読んでくれているのは、俺と同じくらいの年齢の、中学高校大学に通う人たちだったり、二十代くらいの若い社会人の方だったりすると思うんですけど——何となく人生不安じゃないですか?

むしろ不安しかないという状況に置かれてませんか?

毎日に退屈したり、容姿にコンプレックスがあったり、恋人がいないとか、友達の輪に入っていけない、何やってもつまんないとかね。

時々すっごい息苦しくて、何とかしなきゃなんないのはわかってるんだけど、でも何をしてもいいのかもわからない。

誰も助けてくれないし。本当は嫌だけど、流されて学校や会社に通っているという現状。 もっと等身大の自分を出していけたら楽なんだけど、今よりもっと悪化してひどいことになってしまうかもしれないからそんなことできないと。

そして、そのまま時間だけがずるずる過ぎ去っていく焦燥感。そういった気持ち、すっごいよくわかります。俺もちょっと前までそうでしたから。

勇気を出して、現実をぶち壊してください。遥か彼方に突き抜けたその場所から振り返ってみると、ずいぶんとくだらないことで悩んでたなって、時間の無駄してたなって思いますから。世の中全て思い通りとまではいかないまでも、人生の主人公は自分なんだという確かな感覚。まずはこれを獲得しないと始まらないです。

さて、そろそろ導入部分はこのくらいにして、本編を通して少しでも人生に対するモチベーションを高めてくれれば嬉しいです。それがこの小説最大の目的です。

ただ、これを書き始めたきっかけは、そういったボランティア精神からではなくて、実は今ちょっとトラブルに直面していて、俺ひょっとしたら死ぬかもなって思ってるんですよ。だから何かしら記録として残しておこうと思ったのかな。でも、当然頑張って生きて帰ります。

それでは、ラストまでよろしくお願いします。

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